疲れた夜にコンビニへ向かう理由

夕食に疲れて料理する気力がなくなり、ついコンビニのお弁当に頼ってしまう――そんな経験は誰にでもあるでしょう。
人は体調が悪かったり疲れていたりすると、どうしても簡単に済ませられる食事に手が伸びがちです。
意思の弱さだけでなく、もしかすると体の中の見えない変化が、私たちの「まあ手軽でいいか」という気持ちを後押ししているのかもしれません。
実は、肥満状態の人の体内ではしばしば慢性的な低レベル炎症(はんのうが弱い炎症反応)が起きています。
病気のときのような激しい炎症ではないため自覚症状はほとんどありませんが、肥満の女性では約5~6割、男性でも3~4割にこの「慢性炎症」の指標が見られるとの報告があります。
この炎症は拡大した脂肪組織から生じる免疫反応が原因で、日々の高脂肪・高糖質な食生活も火に油を注ぎます。
微弱ながら全身に広がるこの炎症は、代謝や脳の働きさえかく乱し、糖尿病や心疾患のリスクを高めることが報告されています。
炎症をともなう病気にかかると、人は倦怠感(けんたいかん)や無気力になり、食欲が落ちたり「何もしたくない」状態になります。
これは医学的に「疾病行動(病気のときの省エネモード)」と呼ばれ、体内の炎症物質が脳に作用して起こる現象です。
同様に、健康な人でも人工的に炎症を起こす実験をすると、普段より労力を避ける選択をしやすくなることが報告されています。
不思議なことに、炎症によって「ご褒美をほしい気持ち(報酬感受性)」自体は変わらず、「労力を払うのが面倒」という感覚だけが強まるのです。
では、常に微弱な炎症が続く肥満の状態ではどうでしょうか。
そこで今回、研究チームは「過体重・肥満の女性における慢性炎症が食べ物を得るための労力のかけ方に与える影響」を直接確かめることにしました。
体内でくすぶる炎症が本当に脳のやる気を奪い、コンビニ飯のような手軽な選択に傾かせているのでしょうか?

























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