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Credit: canva
psychology

被害者意識が強い人ほど、ナルシシズム傾向も強くなっていた (2/2)

2026.01.28 07:00:24 Wednesday

前ページ常に「自分は被害者」と感じる性格特性があった

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「被害アピール」の動機はナルシシズムのタイプで違っていた

研究ではさらに、「被害者シグナリング」と呼ばれる行動にも注目しました。

これは自分の苦しさや不遇さを公に示し、周囲からの承認や支援を得ようとする行動です。

結果は興味深いものでした。

被害者シグナリングは、誇大型・脆弱型の両方のナルシシズムと関係していましたが、その心理的な経路は異なっていたのです。

脆弱型ナルシシズムが強い人の場合、まず「自分は被害者だ」という意識が強まり、その結果として被害を訴える行動に至っていました。

つまり、内面的な傷つきや過敏さが、被害者意識を通じて表に現れていたのです。

一方、誇大型ナルシシズムが強い人では、被害者シグナリングは被害者意識を介さず、直接的に現れていました。

こちらは、実際の傷つきというよりも、注目を集めたい、自己を誇示したいという動機によって引き起こされている可能性が高いと考えられます。

性格特性全体との関係を見ると、被害者意識と被害者シグナリングの双方に共通していたのは神経症傾向でした。

加えて、被害者シグナリングを行いやすい人は、外向性と開放性が高く、協調性が低い傾向も示していました。

これは、自己開示には積極的ですが、他者への配慮よりも自分の利益を優先しやすい人物像を示しています。

被害者意識は「経験」ではなく「心の持ち方」だった

今回の研究は、「被害者意識が強い人=実際に多くの被害を受けてきた人」とは限らないことを示しています。

むしろ、被害者意識は特定の人格傾向や感情調整の難しさと結びついた心の持ち方であり、誰にでも生じうるものです。

研究者たちは、この知見が実際の被害者や社会的に弱い立場の人々を否定するために使われるべきではないと強く警告しています。

一方で、常に被害者の立場を取り続ける人が、対人関係においてトラブルを生みやすい可能性があることも示唆されています。

もし身近な人、あるいは自分自身に強い被害者意識が見られる場合、それは性格の問題ではなく、心理的なケアが必要なサインかもしれません。

「自分はいつも被害者だ」という感覚の裏側には、傷つきやすさと不安定さが隠れている可能性があるのです。

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