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「SNSをあまり使わない方が健全」は正しいのか / Credit:Canva
society

「SNSをあまり使わない=健全な社会生活」とは限らない

2026.02.13 06:30:42 Friday

「SNSをあまり使っていない方が社会的には健全だ」という考え方があります。

一方で、「今の時代、SNSで他の人とどんどん繋がっていくべきだ」と考える人もいるかもしれません。

イタリアのパドヴァ大学(University of Padova)の研究チームは、これらのイメージに疑問を投げかける結果を報告しました。

思春期の若者を数年間にわたり追跡したところ、SNSは友情を壊す装置でも育てる装置でもなく、もともとの人間関係を“増幅”する場に近いことが見えてきたのです。

本研究は2025年12月6日付の『Computers in Human Behavior』に掲載されました。

Staying off social media isn’t always a sign of a healthy social life https://www.psypost.org/staying-off-social-media-isnt-always-a-sign-of-a-healthy-social-life/
Adolescent social media use profiles: A longitudinal study of friendship quality and socio-motivational factors https://doi.org/10.1016/j.chb.2025.108880

「SNSをあまり使わない人は、健全な社会生活をもつ」と言える?

ここ数年、「SNSはメンタルに悪い」「スクリーンタイムが長いほど有害だ」といった言説が繰り返し語られてきました。

そこから、「それならいっそSNSをやめてしまった方が健全だ」という発想も生まれています。

しかし研究チームは、この見方には大きな問題があると考えました。

現実の使い方は、「長く触っているかどうか」だけでは測れないからです。

若者は、ただタイムラインを眺めるだけでなく、自分の近況を投稿したり、友だちの投稿にコメントしたり、オンラインで悩みを打ち明けたりと、さまざまな行動を組み合わせています。

「どれくらい時間を使ったか」だけでは、この違いが見えません。

そこで研究では、オランダの10〜15歳の中学生1211人を対象に、数年間にわたる3回の調査からなる縦断研究を行いました。

調査では、SNSを含むソーシャルメディアでの行動を細かく尋ねています。

  • 受動的な閲覧(タイムラインを見る頻度)
  • 自分の投稿の頻度
  • 友だちへのリアクション(いいねやコメント)の頻度
  • 感情や個人的な出来事をどれくらいオンラインで打ち明けるか(オンライン自己開示)

あわせて、「取り残される不安(FoMO)」「オンラインで話す方が楽だと感じる傾向(POSI)」「人気や注目を得たいという動機」といった心理的な動機も測定しました。

さらに、友だちとの関係についても、親しさや信頼、支え合いなど「友情の質」を、最初の時点と数年後の調査で評価しました。

そして統計手法を使い、SNSの使い方のパターンをいくつかのタイプに分けました。

その結果、ほどよく何でも使う「オールラウンド型」、ほとんど使わない「低利用型」、感情をよく打ち明ける「高自己開示型」、自己アピールが強い「自己志向型」の4タイプが見つかりました。

興味深いのは、「低利用型」の若者は、調査の最初の時点から友情の質が他のタイプより低く、その傾向が数年後もほとんど変わらなかったことです。

一方で、オールラウンド型や高自己開示型の若者は、中〜高い水準の友情の質を保っていました。

つまり、「SNSをあまり使わない=人間関係が健全」という単純な図式は、少なくともこのデータとは合わなかったのです。

より詳細な結果とその意味について、次項で見ていきましょう。

次ページSNSは友情を“作る”のではなく“映す” もの

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