「SNSをあまり使わない人は、健全な社会生活をもつ」と言える?
ここ数年、「SNSはメンタルに悪い」「スクリーンタイムが長いほど有害だ」といった言説が繰り返し語られてきました。
そこから、「それならいっそSNSをやめてしまった方が健全だ」という発想も生まれています。
しかし研究チームは、この見方には大きな問題があると考えました。
現実の使い方は、「長く触っているかどうか」だけでは測れないからです。
若者は、ただタイムラインを眺めるだけでなく、自分の近況を投稿したり、友だちの投稿にコメントしたり、オンラインで悩みを打ち明けたりと、さまざまな行動を組み合わせています。
「どれくらい時間を使ったか」だけでは、この違いが見えません。
そこで研究では、オランダの10〜15歳の中学生1211人を対象に、数年間にわたる3回の調査からなる縦断研究を行いました。
調査では、SNSを含むソーシャルメディアでの行動を細かく尋ねています。
- 受動的な閲覧(タイムラインを見る頻度)
- 自分の投稿の頻度
- 友だちへのリアクション(いいねやコメント)の頻度
- 感情や個人的な出来事をどれくらいオンラインで打ち明けるか(オンライン自己開示)
あわせて、「取り残される不安(FoMO)」「オンラインで話す方が楽だと感じる傾向(POSI)」「人気や注目を得たいという動機」といった心理的な動機も測定しました。
さらに、友だちとの関係についても、親しさや信頼、支え合いなど「友情の質」を、最初の時点と数年後の調査で評価しました。
そして統計手法を使い、SNSの使い方のパターンをいくつかのタイプに分けました。
その結果、ほどよく何でも使う「オールラウンド型」、ほとんど使わない「低利用型」、感情をよく打ち明ける「高自己開示型」、自己アピールが強い「自己志向型」の4タイプが見つかりました。
興味深いのは、「低利用型」の若者は、調査の最初の時点から友情の質が他のタイプより低く、その傾向が数年後もほとんど変わらなかったことです。
一方で、オールラウンド型や高自己開示型の若者は、中〜高い水準の友情の質を保っていました。
つまり、「SNSをあまり使わない=人間関係が健全」という単純な図式は、少なくともこのデータとは合わなかったのです。
より詳細な結果とその意味について、次項で見ていきましょう。



























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