鼻、首、尾、体重…意外なリスク要因とは
今回の研究が示したのは、顔の形だけが問題ではないという点です。
まず重要だったのが「鼻孔の狭さ(鼻孔狭窄)」です。
高リスクとされたペキニーズとジャパニーズ・チンでは、開いた鼻孔を持つ個体はそれぞれ約6%、約18%にすぎませんでした。
鼻孔が狭いほどBOASの発症率が高いことが、あらためて裏付けられました。
さらに、「頭蓋顔面比」と呼ばれる指標も関係していました。
これは頭蓋の長さに対する幅の割合を示すものです。
幅広で短い頭部形状を持つ犬ほど、BOASリスクが高い傾向がありました。
ただし、極端に平たい顔の犬種でも、約40%が無症状であった例もあり、単純な長さだけでは説明できないことも分かりました。
また、体型も無関係ではありませんでした。
スタッフォードシャー・ブル・テリアでは、尾が長い個体はBOASのリスクが約30%低く、罹患犬は平均して尾が約1.5センチ短いことが示されました。

ボストン・テリアとスタッフォードシャー・ブル・テリアでは、首が太い犬ほど影響を受けやすい傾向も確認されました。
さらに、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シー・ズー、アーフェンピンシャーでは、肥満が有意なリスク因子でした。
体重管理がリスク軽減に寄与する可能性が示唆されています。
ただし研究者らは、体重や鼻孔の狭さ、頭蓋顔面比を合わせても、BOASの個体差の約20%しか説明できないと指摘しています。
つまり、まだ解明されていない要因が多く残されているということです。
見た目の可愛さと健康のバランス
本研究の著者らは、BOASには犬種ごとに異なる「リスクプロファイル」があると述べています。
そのため、疾患の軽減には犬種別のアプローチが必要です。
また、現時点で最も確実なのは、実際に呼吸機能を評価することです。
体型や見た目だけでは判断できないため、繁殖選択や健康管理においては客観的な呼吸評価が重要になります。
平たい顔や丸い体型は確かに魅力的です。しかし、その特徴が健康と引き換えになっていないかを見つめ直す時期に来ているのかもしれません。
犬たちが静かに苦しむことのない未来を実現するために、科学的な知見と飼い主の理解が、これまで以上に求められています。




























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