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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

カツオの眼球から「回遊履歴」を推定する手法を開発!

2026.02.20 22:00:25 Friday

カツオは広い太平洋を高速で泳ぎ回る回遊魚です。

しかし、その一生の移動ルートを正確にたどることは、当然ながら簡単ではありません。

そんな中、京都大学の研究チームは、カツオの「眼球」に残された化学的な記録を読み解くことで、生涯の回遊履歴を推定する新手法を開発しました。

研究の詳細は2025年11月18日付で科学雑誌『Methods in Ecology and Evolution』に掲載されています。

カツオの眼球の分析から回遊履歴を推定する手法の開発に成功 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-02-19-1
Fine-scale reconstruction of pelagic fish migration by iso-logging of eye lens https://doi.org/10.1111/2041-210x.70201

眼球は「海の航海日誌」だった

従来、魚の回遊を追跡するには電子標識(タグ)を体に装着する方法が主流でした。

しかしこの方法は高コストで、小さな個体には装着が難しく、電池寿命の制約もあります。

そのため、魚が孵化してから漁獲されるまでの「一生分の移動」を把握するのは困難でした。

今回の研究が注目したのは、カツオの眼球にある水晶体です。

水晶体は成長に伴って外側へ層を重ねるように形成され、いわば年輪のように過去の情報を内部に閉じ込めています。

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カツオの水晶体を顕微鏡下で切片にする様子(A)、水晶体(B)と切片にした後の水晶体の中心部(C)。中心部には、孵化時期の同位体比が記録されている。/ Credit: 京都大学(2026)

研究チームはこの水晶体を中心部から外側へと薄く切り分け、それぞれの層に含まれる炭素と窒素の安定同位体比を測定しました。

炭素や窒素の同位体比は、海域ごとの環境や食物網の違いを反映します。

つまり、水晶体に記録された同位体比を読み解けば、その時期にどの海域にいたのかを推定できる可能性があるのです。

研究ではまず、西部太平洋における同位体比の分布地図を作成。

既存のカツオ筋肉データと、水温や塩分、栄養塩などの環境データを組み合わせ、海域ごとの同位体比を統計モデルで推定しています。

特に窒素同位体比は南北方向で大きく変化し、北緯10度以南の熱帯域で高い傾向が確認されました。

次ページ33個体のカツオから見えた「部分回遊」

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