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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

人類の寿命は「まだ限界に達していない」可能性

2026.02.23 17:00:22 Monday

「人間の寿命はもう頭打ちなのではないか」

ここ数年、そんな声を耳にする機会が増えました。

確かに、先進国では平均寿命の伸びが鈍化している国もあります。そのため「人間には生物学的な寿命の天井があるのではないか」という議論も活発です。

しかし、ドイツ連邦人口研究所(BiB)による大規模研究は、少し違う景色を見せています。

研究チームは、1992年から2019年までの約30年間にわたり、西ヨーロッパ13カ国・450地域、約4億人分の死亡統計データを分析。

その結果、人類の寿命はまだ限界に達していない可能性が高いことが示唆されました。

研究の詳細は2026年1月24日付で科学雑誌『Nature Communications』に掲載されています。

‘The limits of human longevity have still not been reached,’ study suggests https://www.livescience.com/health/aging/the-limits-of-human-longevity-have-still-not-been-reached-study-suggests
Potential and challenges for sustainable progress in human longevity https://doi.org/10.1038/s41467-026-68828-z

長寿の“優等生”地域は今も伸び続けている

チームは、国全体の平均値ではなく、地域ごとの詳細なデータに注目しました。

その理由は明確です。国の平均寿命の裏には、地域ごとの大きな差が隠れているからです。

分析の結果、北イタリア、スイス、スペインの一部地域、そしてフランスのパリ周辺など、いわば「寿命の優等生」と呼べる地域では、現在も安定した寿命延伸が続いていることが分かりました。

具体的には、男性で年間約2.5カ月、女性で約1.5カ月ずつ平均寿命が伸びています。

このペースは、過去数十年とほぼ同じ水準です。2019年時点で、これらの地域では男性83歳、女性87歳に達しています。

もし本当に「生物学的な限界」に近づいているのなら、こうした地域でも伸びが急激に鈍化しているはずです。

しかし、その兆候は見られませんでした。

つまり、少なくとも一部の地域では、寿命延伸のエンジンはまだ止まっていないのです。

次ページ問題は「限界」ではなく「格差」だった

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