心血管リスクを大きく下げるに、週560〜610分の運動が必要かもしれない
研究チームがさらに詳しく分析したところ、心血管リスクを20%下げるには、週340〜370分ほどの中高強度運動が必要になる可能性が示されました。
そして、30%を超える大きなリスク低下と関連していた運動量は、週560〜610分でした。
これは、現在よく知られる週150分基準の約3〜4倍にあたります。
1日あたりに直すと、およそ80〜90分です。
もちろん、これはかなり高いハードルです。
実際、この研究で週560分以上の運動をしていた人は、全体の約12%にとどまっていました。
さらに興味深いのは、体力が低い人ほど、同じリスク低下を得るために少し多くの運動が必要だった点です。
例えば、心血管リスクを20%下げるには、心肺持久力が高い人では週約340分で済む一方、心肺持久力が低い人では週約370分が必要と推定されました。
30%のリスク低下では、高体力の人が週約560分、低体力の人が週約610分でした。
つまり、体力が落ちている人では、同じ心血管保護に近づくまでに、少し長めの運動時間が必要になる可能性があるのです。
ただし、この結果を「全員が今すぐ週600分運動すべき」と読むのは危険です。
この研究は観察研究であり、運動そのものがリスク低下の直接原因だったと断定するものではありません。
よく運動する人は、食事、睡眠、医療へのアクセス、喫煙習慣なども違っていた可能性があります。
また、高齢者や持病のある人、長年運動していなかった人が、急に1日90分の運動を始めるのは安全とは限りません。
それでも大切なのは、週150分を「達成したら終わり」と考えないことです。
150分は有効な入口ですが、安全に増やせる人では、その先にも追加の利益が広がっている可能性があります。


















































