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131億年前に輝いた「最古の超巨大ブラックホール」を発見

2026.07.08 17:00:19 Wednesday

宇宙が誕生してから、まだ6億7000万年ほどしか経っていない時代。

そこにはすでに、銀河の中心で強烈な光を放つ巨大ブラックホールが存在していたようです。

欧州宇宙機関(ESA)のユークリッド宇宙望遠鏡と、すばる望遠鏡を含む地上望遠鏡の観測により、初期宇宙に存在する31個の新たな「クエーサー」が発見されました。

クエーサーとは、銀河の中心にある超巨大ブラックホールの周囲へ物質が落ち込み、その物質が激しく加熱されることで、母銀河を上回るほど明るく輝く天体です。

さらに、見つかった31個のうち2天体は、これまでに知られていた最も古いクエーサーの記録を更新しました。

研究の詳細は、2026年7月6日付で学術誌『Astronomy & Astrophysics』に掲載されています。

宇宙の夜明けに輝いた最古の超巨大ブラックホールを発見 https://subarutelescope.org/jp/news/topics/2026/07/05/3733.html
Euclid: Discovery of 31 new quasars at 6.6 < z < 7.8 https://doi.org/10.1051/0004-6361/202658883

どうやって「131億年前のクエーサー」と特定したのか?

遠い宇宙を観測することは、過去の宇宙を見ることでもあります。

なぜなら、光が私たち観測者のもとに届くまでには時間がかかるからです。

たとえば、約131億光年彼方の天体を見ているとき、私たちは現在のその天体ではなく、約131億年前に放たれた光を見ていることになります。

今回発見された記録更新級のクエーサーは、宇宙誕生から約6億7000万年後に存在していたと考えられています。

現在の宇宙年齢を約138億年とすると、宇宙がまだ現在の5%ほどの年齢しかなかったころの姿です。

ここで重要になるのが「赤方偏移」です。

赤方偏移とは、宇宙の膨張によって、遠くの天体から届く光の波長が引き伸ばされる現象です。

光は波の性質を持っており、波長が短いほど青っぽく、波長が長いほど赤っぽくなります。

宇宙が膨張すると、その空間を進んできた光の波長も引き伸ばされるため、遠く古い天体ほど、光が赤い方向へずれて見えるのです。

天文学では、このずれの大きさを「z」という値で表します。

たとえば、赤方偏移7(z=7)の天体では、光の波長が放たれた当時の約8倍に引き伸ばされていることを意味します。

そして一般に、赤方偏移の値が大きいほど、その天体は遠く、より古い時代の宇宙に存在していたことになるのです。

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そのため「赤方偏移7以上のクエーサー」とは、つまり宇宙がまだ非常に若かった時代に存在していたクエーサーを指します。

これまで赤方偏移7以上のクエーサーは、わずか9天体しか知られていませんでした。

しかし今回、新たに12天体が加わりました。

これは、初期宇宙における超巨大ブラックホールの研究にとって、大きなサンプルの増加です。

なかでも、EUCL J172902.75+641018.1は赤方偏移7.77、EUCL J125308.55+705432.3は赤方偏移7.69と測定されました。

これらは、これまでに知られていた最遠方・最古クラスのクエーサー記録を更新する天体です。

宇宙がまだ6億7000万年ほどしか経っていない時代に、すでに超巨大ブラックホールが周囲の物質を飲み込み、クエーサーとして明るく輝いていたことになります。

これは、宇宙初期のブラックホール形成に関する大きな謎をさらに深める結果です。

なぜなら、超巨大ブラックホールは太陽の何百万倍、場合によっては10億倍もの質量を持つ天体だからです。

それほど巨大な存在が、宇宙誕生から数億年という短い時間でどのように生まれ、どのように成長できたのかは、現代天文学における重要な未解決問題です。

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