洞窟の奥で見つかった「火に焼けた骨」
ワンダーワーク洞窟は、南アフリカにある有名な考古学遺跡です。
長い期間にわたって人類の祖先が利用していた痕跡が残されており、以前の研究では、約100万年前の地層から焼けた骨や灰、熱で変化した石器などが見つかっていました。
つまり、この洞窟はすでに「人類と火の関係」を考えるうえで重要な場所だったのです。
今回の研究チームが注目したのは、さらに古い地層です。
彼らは、第10層と第11層と呼ばれる前期更新世の堆積層(約179万年前)から見つかった小型哺乳類の化石骨161点を調べました。
【洞窟の場所と内部での調査の様子がこちら】
興味深いことに、これらの小動物の多くは、ヒト族が食べた獲物ではなく、メンフクロウによって洞窟内に持ち込まれた可能性があります。
フクロウは消化できない骨や毛をペリットとして吐き出します。
そのため、洞窟の床には小動物の骨が長い時間をかけて積み重なっていきました。
研究チームは、その骨の一部が後に火と接触したのではないかと考えたのです。
では、数十万年以上前の骨が本当に焼けていたかどうかを、どうやって確かめるのでしょうか。
研究では、「フーリエ変換赤外分光法」と呼ばれる方法に加えて、「骨ルミネセンス」という新しい光学的手法が使われました。
フーリエ変換赤外分光法は、骨が高温で加熱されたときに起きる構造変化を調べる方法です。
一方、骨ルミネセンスはもっと視覚的です。
灰色や白色の化石骨に青い光を当て、特殊なフィルター越しに見ると、焼けた骨だけが赤く光るのです。
チームは、現代の骨を実験的に加熱した試料や、スペインの青銅器時代の遺跡から得られた骨とも比較し、この方法が焼けた骨の判定に有効であることを確認しました。
その結果、より古い第11層から見つかった白色・灰色の骨は、調べられたすべてで加熱の痕跡を示しました。
しかも、フーリエ変換赤外分光法と骨ルミネセンスの2つの方法が、同じ結論を示していたのです。

































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