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犬はあなたの声のトーンの違いを理解している / Credit:Canva
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犬は飼い主の「声のトーン」だけで意図を理解できる (2/2)

2026.06.04 11:30:45 Thursday

前ページ意味のない「bü」だけで犬に指示を出す

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犬が聞いていたのは言葉ではなく「古い音のルール」かもしれない

研究チームは、が飼い主の意図どおりに行動した場面の「bü」を詳しく分析しました。

すると、同じ「bü」という意味のない音でも、統計的に区別できる音の違いが見つかりました。

特に強く表れていたのは、「肯定(Yes)」と「否定(No)」に相当する違いです。

「肯定(Yes)」に当たる声は、高めでなめらか、音程変化が比較的小さく、ノイズが少ない傾向を示しました。

また発声は短く、繰り返し頻度が高い特徴も見られました。

一方、「否定(No)」に当たる声は、低いところから始まり、音程の上下が大きく、発声時間も長めになる傾向が確認されました。

つまり飼い主が発した同じ「bü」でも、「来て」と促すときと、「来ないで」と止めるときでは、声の高さやなめらかさ、長さなどが変わっていたのです。

ここで大切なのは、犬が英単語を理解したわけではない点です。

犬が手がかりにしていたと考えられるのは、声に含まれる「近づいてよい」「近づかないほうがよい」というシンプルな音のサインです。

さらに今回の研究では、「ここ」と「あそこ」に当たる条件の間にも、弱いながら音響的な違いが見られました。

ただし、こちらはYes/Noほどはっきりした違いではありません。

そのため、「bü」の声にはまず「やっていい/やめて」に当たるYes/Noの違いが比較的はっきり表れ、そこに加えて「ここ/あそこ」に関わる違いも一部含まれていた、と考えるのが正確です。

私たちの日常感覚にも、これは少し重なるところがあります。

犬や小さな子どもを呼ぶときには、つい高く明るい声になります。

反対に、危険なものに近づこうとした犬を止めるときには、低く強い声になりがちです。

研究チームは、こうした違いが犬との日常的な学習だけでなく、哺乳類に広く共有された古い音のルールとも関係している可能性に注目しています。

これまでの研究では、多くの哺乳類で高く澄んだ声は接近や友好的な状態を促し、低く荒い声は回避や警戒を促すことが知られてきたからです。

私たちが犬に話しかけるとき、犬は声の高さやリズムに残る、言語以前からの古いコミュニケーションの手がかりを聞き取っているのかもしれません。

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