不満を強めるのは「ムダな仕事」よりも「自分にやらせるのはおかしい」という感覚
研究チームは次に、中国・北京のチェーンレストラン46店舗で働く従業員225人を対象に、実際の職場での調査を行いました。
ここでは、過剰資格感、不当なタスクの知覚、離職意向、職場での問題行動、上司からの尊重などが調べられました。
論文では、不当なタスクを2種類に分けています。
1つは、そもそも誰がやっても不要だと感じる仕事です。
もう1つは、仕事自体は必要かもしれないが、「それを自分にやらせるのはおかしい」と感じる仕事です。
調査の結果、自分を過剰に有能だと感じている従業員ほど、仕事をこの2種類の不当なタスクとして受け止めやすいことが分かりました。
そして、離職したい気持ちや職場での問題行動と強く関連していたのは、特に「自分にやらせるのはおかしい」という感覚の方でした。
ここでいう問題行動には、遅刻、シフトの欠勤、仕事の質の低下、勤務中の私用などが含まれます。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
研究チームは、その背景に「相対的剥奪感」があると考えています。
これは、「本来なら自分はもっと良い仕事や扱いを受けるはずなのに、それを得られていない」と感じる心理です。
単に作業が面倒なのではなく、その仕事を通じて「自分の能力が軽く見られている」と感じるため、不満が強まりやすいのです。
一方で、上司から尊重されている従業員は、そうでない従業員に比べて、「自分にやらせるのは不公平だ」と感じるタスクの報告が28%少なかったことも分かりました。
これは、上司が仕事の意味を説明し、従業員の貢献を認め、敬意を持って接することで、「自分が軽んじられている」という感覚を和らげられる可能性を示しています。
ただし、そもそも不要だと感じられる仕事については、上司の尊重だけでは改善しにくいことも示されました。
その場合は、仕事の任せ方だけでなく、業務そのものを見直す必要があるでしょう。
この研究は、職場の不満が仕事内容だけでなく、「その仕事を任されることで自分がどう扱われていると感じるか」からも生まれることを示しています。

























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