ゆっくり呼吸で、脳の不安が和らいだ
ところが、画像を見る前にゆっくり呼吸した場合、参加者が報告した不快感と興奮度は、通常の呼吸の後より全体として低くなりました。
さらに、呼吸中の心拍数も平均で1分間73.6回から71.4回へ下がっていました。
チームが特に注目したのは、画像を待っている間の脳波です。
速い呼吸の後では、何が出るか分からない条件で、ベータ帯域の活動が強くなりました。
ベータ帯域の活動は、脳の覚醒や精神的な緊張、努力が高まっているときに増えることがあります。
一方、ゆっくりした呼吸の後では、不確実な条件でベータ帯域の活動が低下しました。
これは、ゆっくりした呼吸が、嫌な出来事を予想して身構える脳の反応を弱めた可能性を示しています。
ゆっくり呼吸法のやり方は、先にも述べたようにとてもシンプルです。
6秒かけて息を吸い、6秒かけて息を吐く。これをおよそ30秒〜1分かけて続けます。
無理に大量の空気を吸おうとせず、苦しくない範囲で一定のリズムを保つことが大切です。
ただし、この研究は「30秒の呼吸法が不安障害を治す」と示すものではありません。
参加者は25人と少なく、全員が若い健康な女性で、確認されたのも実験直後の短期的な変化です。
それでも、不安で頭がいっぱいになったとき、呼吸は自分で動かせる数少ない身体のスイッチです。
未来への心配を完全に消せなくても、6秒吸って6秒吐く呼吸を繰り返せば、脳が必要以上に身構える状態を少し緩められるかもしれません。































