規律を身につけるための「5つの方法」とは?
では、どうすれば規律を身につけられるのでしょうか。
まず大切なのは、(1)目標だけでなく、その目標を目指す理由を明確にすることです。
たとえば、単に「運動する」と決めるよりも、「年齢を重ねても健康に動ける体を保ちたい」「来月までに5キロ落とす」と考えた方が、行動には意味が生まれます。
ただし、遠い将来の結果だけを見ていると、日々の行動は苦痛になりやすくなります。
そのため、(2)結果だけでなく、目標へ向かう「過程(プロセス)」に小さな楽しみを組み込むことも重要です。
運動中に好きな音楽を聴いたり、集中しやすい快適な場所で勉強したりすることで、行動そのものを続けやすくできます。
また、一度できなかっただけで、すべてを失敗だと考える必要はありません。
重要なのは、(3)1回も休むことなく完璧に続けることではなく、できなかったあとに早く戻ることです。
「2回連続では休まない」というルールを決めておけば、1日の中断が、そのまま習慣の消滅につながるのを防げます。
それから、(4)やるべき行動を「交渉不可」にすることも有効です。
運動や執筆を「時間があったら行うもの」ではなく、あらかじめ優先順位の高い予定として扱います。
たとえば、「時間が空いたら運動する」ではなく、「月曜日と木曜日の午後7時になったら必ずジムへ行く」と決めます。
心理学では、このように「特定の状況になったら、決めた行動をする」という計画を、実行意図と呼びます。
行動のきっかけが明確になるため、その場で迷ったり判断したりする負担を減らせます。
さらに、(5)環境を整えることも規律の一部です。
勉強中はスマホを別の部屋に置き、運動着を前日のうちに準備し、執筆時間には会議を入れないようにします。
友人と一緒に運動したり、誰かに進捗を報告したりすることも、行動を続ける助けになります。
つまり規律とは、自分を厳しく罰することではありません。
誘惑に耐え続けるのではなく、誘惑や迷いが生まれにくい仕組み(システム)を作ることです。
「意志の強い人だから続けられる」のではなく、「続けやすい環境を作っているから続けられる」と考える方が実態に近いのです。
ウシク氏は、こうした一連の心理テクニックを実践することで、「規律」を自分のものとしました。
そして現在、25戦25勝無敗という輝かしい戦績を維持し、井上尚弥選手と並んで、現役最高のボクサーの一人と称されるまでになったのです。
目標を達成するためには、やる気がある日に大きく前進することよりも、やる気がない日にも小さく動けることが重要なのです。
ウシク氏の言葉どおり、モチベーションも大切ですが、規律はそれ以上に信頼できる力といえるでしょう。

























