他カップルの「交尾声」にオスもメスも強く反応
まず交尾声が確認されたのは、2月から4月の産卵前だけでした。
通常の頻度は平均0.198回/時間で、一晩では平均2.58回でした。
さらに少なくとも産卵54日前から交尾声が確認されたことから、研究チームは1度の繁殖で100回以上交尾している可能性があると推定しています。
そして再生実験では、自分のパートナーではない個体の交尾声を含む音声を聞いたとき、オスとメスの双方がより強い発声反応を示しました。
細かく見ると、発声反応の開始に関する指標ではオスの方が大きな変化を示しましたが、鳴き返しの回数と反応の継続時間には、はっきりした雌雄差は確認されませんでした。
つまり交尾声は、メスだけを引きつける性的な合図というより、オスにもメスにも重要な情報として受け取られていたのです。
さらに、なわばり内で他個体のデュエット声を再生すると、オスが交尾声を発する頻度は通常の0.198回/時間から1.45回/時間へと増加しました。
他個体の声を聞いた状況で交尾声そのものが増えたことも、この声がなわばりを示す信号として使われている可能性を後押しします。
研究チームは、交尾声によって他個体の侵入を防ぎ、つがいのなわばりを守ることや、オスにとってはメスが他のオスと交尾するのを防ぎ、父性を確保することにつながる可能性を挙げています。
また、本研究は鳥類で交尾声に対する反応の雌雄差を調べた初めての研究であり、「さえずり」以外の音声コミュニケーションを明らかにした点でも注目されます。
ただし今回、交尾声を聞いた侵入個体が実際に退散するのか、交尾声によって他個体との交尾が減るのかまでは直接調べていません。
また、この研究は南大東島のリュウキュウコノハズクを対象としたもので、同じ機能が他の鳥類にも広く当てはまるかは今後の検証が必要です。
今後、交尾声を聞いた個体が実際にどのような行動を取るのか、またこの声にどのような情報が含まれているのかを調べることで、鳥たちの音声コミュニケーションはさらに詳しく見えてくるでしょう。
交尾中の「ぴりりりりり」は、単なる鳴き声ではなく、周囲のライバルに自分たちの存在を知らせる重要な信号なのかもしれません。
































