恋人同士の音楽の一致度は知能や学歴に匹敵する

調査に参加したのは、ドイツとオーストリアを中心とする309組のパートナー、618人です。
参加者の多くは若い成人で、平均年齢はおよそ25歳から31歳でした。
研究ではまず、さまざまな音楽ジャンルをどれだけ好きかを7段階で評価し、好きなアーティストを3組まで、嫌いなアーティストも3組まで名前で挙げてもらいました。
挙がった名前は、音楽サイトLast.fmに集まったタグや「似たアーティスト」の情報と突き合わせました。
こうすれば、2人が別々のバンドを挙げていても、作風がどれだけ重なっているかを測れます。
同時に性格と価値観、そして関係の質を測る質問にも、それぞれ答えてもらいました。
また比較のために恋人同士の組み合わせをいったん全部ほどき、参加者を無作為に組み直した「にせカップル」(疑似カップル)を5000回作りました。
AさんとBさんが本当のカップルの場合「AさんとCさん」や「BさんとDさん」といった偽の組み合わせを作って、本物のカップルの性格や音楽の一致度と比較したわけです。
ただ同じ国の同じ世代なら、恋人でなくても好きな音楽はそれなりに重なりそうです。
そこで研究チームは、恋人同士の組み合わせをいったん全部ほどき、参加者を無作為に組み直した「にせカップル」(疑似カップル)を5000回作りました。
AさんとBさんが本当のカップルの場合「AさんとCさん」や「BさんとDさん」といった偽の組み合わせを作って、本物のカップルの性格や音楽の一致度と比較したわけです。
似ぐあいは、二人の答え方に共通した傾向がなければ0、似た傾向ほど1に近づく物差しで表されました。
結果、意外な事実が見えてきました。
まず音楽の好みは、無作為に組み合わせただけの他人のペアでは一致度が0.2ほどなのに、本物のカップルでは0.45前後まで跳ね上がったのです。
また価値観を見ると、本物のカップルの一致度はおよそ0.5に対して、無作為に組んだ他人同士のペアも0.45ほどに達しており、差は小さなものでした。
さらに性格にいたっては、本物と偽物の差はないに等しいものでした。
次に研究チームは、一致度についてさらに詳しくみる分析を行いました。
たとえば音楽の場合、特定のアイドルユニットの曲が世間を席巻しているとき、2人の好みの両方にそのアイドルユニットの曲が入り込んでしまう場合があります。
性格や価値観といったものも、同様な影響を受けかねません。
そこで研究者たちは世の中の平均的な好みと重なる部分を差し引き、その人ならではの部分で比較を行いました。
すると偽物のカップル同士の一致度は性格、価値観、音楽でほぼ0となりました。
一方で、3つの調査をまとめると、本物のカップルの一致度は、性格でほぼ0、価値観で0.12、音楽で0.26が残りました。
文化がそろえてくれる分を取り除くと、価値観の一致は大きく目減りし、二人に固有の一致がもっとも色濃く残ったのは音楽でした。
では、本物と偽物のこの開きは、どれくらい大きいものなのでしょうか。
研究者たちが比較のための操作を行うと、音楽の好みは恋人同士でそろうことが知られている知能や政治志向、宗教、学歴と、ちょうど肩を並べる高さであることがわかりました。



























