スマホの使いすぎを「人とのつながり」から見直す

スマホを手放せなくなる「スマホの使いすぎ」は、ほかの依存症とよく似た状態だと考えられるようになってきています。
これまでの脳の研究は、おもに「ごほうびを求める仕組み」や「自分を抑える仕組み」に目を向けてきました。
一方で、人とのつながりに関わる脳の働きは、あまり調べられてきませんでした。
でも考えてみると、スマホのアプリの多くは、人とやりとりし、いつでもつながっていられるように作られています。
今では、ネットでのつながりは「自分はこの輪の中にいる」と感じるための大事な柱になっています。
そして、輪から外されたと感じると、人は体の痛みに似たつらさを味わうことがあるとされています。
では、スマホを使いすぎる人が仲間外れにされたとき、その脳では何が起きているのでしょうか?
これを調べたのが、ハイデルベルク大学の精神科医ロバート・C・ウルフさんたちのチームです。
チームは18〜30歳の若い大人41人に、スマホの使いすぎを測る決まった質問票に答えてもらいました。
質問票では、使えないときのつらさや、画面を見る時間がだんだん増えていくこと、暮らしへの影響などを調べます。
その点数から、23人を「使いすぎのグループ」、18人を「比べるためのグループ」に分けました。
そして全員に、脳の中の血の流れを見て、どこがよく働いているかを調べる装置(fMRI)に入ってもらいました。
その装置の中で、わざと仲間外れにされる体験をしてもらったのです。
違いがはっきり出たのは、右側の「中部帯状皮質(ちゅうぶたいじょうひしつ)」という場所でした。
ここは、仲間外れにされたときの心のチクッとした痛みも含めて、痛みを処理する働きに深く関わっています。
もしスマホを使いすぎる人がこの痛みに敏感なら、スマホを手放せない理由の一部は、そこにあるのかもしれません。
ただし、調べたのは若い大人41人だけで、研究を紹介した記事でも「小規模な研究」とされています。
それにしても、大きな装置の中にいる人を、どうやって仲間外れにしたのでしょうか?
次のページで、その仕掛けを紹介します。
























