心臓の年齢を動かすものは何か、移植はどう変わりうるのか

ポガニク氏は、若い体の環境は生物学的年齢のある側面を巻き戻せる一方で、元に戻せない側面もあるのかもしれないと解釈しています。
何が心臓の年齢の目印を変えているのかは、まだはっきりしていません。
ポガニク氏は、何か1つの要因というよりも、体全体の環境が心臓にたまった傷みを取り除いたり、心臓を若い体の免疫に関わる因子にさらしたりしているのではないかと考えています。
研究チームは、臓器の生物学的年齢を動かす大きな力は、その臓器を取り巻く体全体の環境だとまとめています。
もちろん、この研究には慎重に見るべき点もあります。
研究に関わっていないキングス・カレッジ・ロンドンのマイケル・サグナー氏は、今回使われた年齢の物差しはまだ実験段階で、本当の生物学的年齢を表しているとは限らないと指摘しています。
また人のデータで示されたのは受け手の年齢との結びつきであり、それだけで原因と結果が決まるわけではありません。
それでもポガニク氏は、今は提供が見送られている高齢の臓器を、若い受け手への移植に使える可能性があると述べています。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(移植された臓器を「別の人へ再び移植」できるのか?)
ただし、臓器提供の仕組みを変えるまでには、まだ多くの研究が必要だとも付け加えています。
研究に関わっていない英国の老化クリニック「LONGEVITY」のピーター・スクリブン氏は、今回の結果は臓器が環境に反応することを示唆しており、老化のうちどれだけを変えられるのかを考える理由になると話しています。
これまで心臓移植では、ドナーの年齢が心臓選びを大きく左右してきました。
しかし今回の研究は、心臓の「年齢」がどの体の中にあるかによって動きうることを、マウスの実験と人のデータから示唆しています。
移植された心臓の年齢には、それを取り巻く体全体の環境が大きく関わっているのかもしれません。




















