リラックスのはずが急に怖くなる、大麻の矛盾

大麻は、落ち着きや心地よい高揚感、ストレスの軽減をもたらすものとして使われています。
しかし医師や使用者の間では、予測しにくい矛盾が以前から知られていました。
一部の人や量が多いときには、強い不安や最悪の事態ばかり考えてしまう思考、さらにはパニック発作まで起こることがあるのです。
こうした反応は、予測できない状況や、怖くてストレスの多い環境で使ったときに特に起こりやすいとされています。
アメリカでは合法化が急速に進み、THC(大麻に含まれる、気分や意識を変える主な成分)の濃度が高い大麻製品も手に入りやすくなりました。
それにともない、大麻による急なパニックや精神病に似た症状で救急外来を訪れる人も大きく増えています。
大麻に含まれる「カンナビノイド」という成分が、脳のあちこちにある「CB1受容体」という受け皿に結びつくことは、これまでにも分かっていました。
また、人ではカンナビノイドが不安やパニックを引き起こすこと、ネズミなどでは量や状況しだいで危険への身構えが強まることも、よく知られた事実でした。
ところが、大麻が不安を和らげる側に働くのか、あおる側に働くのかを決める「スイッチ」が脳のどの細胞にあるのかは、分かっていませんでした。
危険を前にした動物の脳の中で、カンナビノイドが神経の活動をどう変えるのかも、調べられていなかったのです。
そこで今回、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の研究チームは、マウスを使った実験でこのスイッチの正体に迫りました。






















