大麻で急に不安になる仕組み、脳で「ブレーキが外れる」細胞を特定
大麻で急に不安になる仕組み、脳で「ブレーキが外れる」細胞を特定 / Photo by Erin_Hinterland on Pixabay
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大麻で急に不安になる仕組み、脳で「ブレーキが外れる」細胞を特定

2026.10.06 18:10:00 Tuesday

のんびり過ごすはずの休日に、ふと嫌な想像が頭をよぎって、急に落ち着かなくなることもあります。

大麻は、気分を落ち着かせたりストレスを和らげたりする目的で、世界中で広く使われています。

ところが、その大麻がときに強い不安やパニックを引き起こすことは、医師や使用者の間で昔から知られてきました。

では、心をほぐすはずの大麻が、なぜ急に人を怯えさせることがあるのでしょうか。

米ノースウェスタン大学の研究チームは、マウスを使った実験で、この「切り替わり」に関わる脳の仕組みを探りました。

研究の詳細は、2026年10月2日付で学術誌『Nature Communications』に掲載されました。

Why Cannabis Can Suddenly Trigger Panic (Neuroscience News) https://neurosciencenews.com/thc-anxiety-endocannabinoids-31287/
Cannabinoid modulation of central amygdala population dynamics during threat investigation https://doi.org/10.1038/s41467-026-77957-4

リラックスのはずが急に怖くなる、大麻の矛盾

リラックスのはずが急に怖くなる、大麻の矛盾
リラックスのはずが急に怖くなる、大麻の矛盾 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

大麻は、落ち着きや心地よい高揚感、ストレスの軽減をもたらすものとして使われています。

しかし医師や使用者の間では、予測しにくい矛盾が以前から知られていました。

一部の人や量が多いときには、強い不安や最悪の事態ばかり考えてしまう思考、さらにはパニック発作まで起こることがあるのです。

こうした反応は、予測できない状況や、怖くてストレスの多い環境で使ったときに特に起こりやすいとされています。

アメリカでは合法化が急速に進み、THC(大麻に含まれる、気分や意識を変える主な成分)の濃度が高い大麻製品も手に入りやすくなりました。

それにともない、大麻による急なパニックや精神病に似た症状で救急外来を訪れる人も大きく増えています。

大麻に含まれる「カンナビノイド」という成分が、脳のあちこちにある「CB1受容体」という受け皿に結びつくことは、これまでにも分かっていました。

また、人ではカンナビノイドが不安やパニックを引き起こすこと、ネズミなどでは量や状況しだいで危険への身構えが強まることも、よく知られた事実でした。

ところが、大麻が不安を和らげる側に働くのか、あおる側に働くのかを決める「スイッチ」が脳のどの細胞にあるのかは、分かっていませんでした。

危険を前にした動物の脳の中で、カンナビノイドが神経の活動をどう変えるのかも、調べられていなかったのです。

そこで今回、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の研究チームは、マウスを使った実験でこのスイッチの正体に迫りました。

次ページストレス下の大麻で暴走していたのは、脳のどこだったのか?

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