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植物は「おさわりNG」だった。遺伝的防衛反応が明らかに

2018.12.22 Saturday

Credit: La Trobe University
Point
■植物は、人や動物に「タッチ」されたり、あるいは植物同士が触れ合う場合においても遺伝的防衛反応を起こし、その成長が抑制される
■研究で使われたシロイヌナズナにおいては、タッチの30分後にゲノムが10%変化していたことが確認された
■この研究を応用して、タッチを嫌がらない「育ちやすい農作物」が開発される可能性がある

ラ・トローブ大学主導の研究により、植物が「触られること」に対して非常に敏感であることが明らかになりました。そして人間や他の動物が繰り返し「タッチ」を続けてしまえば、その成長が著しく妨げられてしまうこともあるとのことです。

Mitochondrial Function Modulates Touch Signalling in Arabidopsis thaliana

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/tpj.14183

触った後にゲノムが「10%」も変化

人間だけでなく、他の動物や昆虫が触れた場合、さらには植物同士がほんの軽く触れ合ったときにも植物が「遺伝的防衛反応」をみせることで、その成長を遅らせてしまうことがあるといいます。研究を率いたジム・ウィーラン教授は、「触られた30分後には、植物のゲノムは10%変化していました」と述べ、「触ること」の驚くべき影響力について語っています。

さらにウィーラン教授は、タッチが繰り返されれば植物の成長は最大30%抑制されることも明かしています。なぜここまで植物が「触られること」を嫌がるようにできているのかについて完全に解明されたわけではありませんが、この研究は植物の遺伝的防衛のメカニズムへの理解を深めるものです。さらに研究が進めば、特定の植物に対してその敏感さを減少させたり、適切な成長を促すなどのアプローチができる可能性もみえてきます。

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