「おさわりOK」な植物は作れるのか?
研究に用いられた植物はシロイヌナズナであり、研究者らは柔らかい絵筆で触った後に、その生物学的な反応について分析しました。シロイヌナズナは遺伝学のモデル植物として広く使われおり、ここに示された結果は他の多くの植物や農作物に対しても応用ができることが考えられます。
研究の次なるステップは、農作物において「タッチへの敏感さ」をテストして、タッチによる成長抑制効果の少ない種を生み出すことです。しかし、植物の遺伝的防衛のメカニズムが完全に解明するまでは、その応用については慎重な姿勢が求められます。なぜなら、タッチへの敏感さを取り除いた種は「重要な防衛メカニズムを取り除いた」と言い換えられることも考えられ、その場合には農作物が病気に対して著しく弱体化してしまうような事態も起こりかねないからです。
よく育つ植物の作り方が分かれば農業に革命が起こる可能性もあるため、この研究には非常に大きな意義があります。しかし前述のリスクを踏まえれば、そんな「おさわりOK」の植物が開発されるのは、まだ少し先のこととなりそうです。
referenced: phys.org / written by なかしー / edited by Nazology staff