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中世のセイラム魔女裁判で起きた異常行動は「抗NMDA受容体抗体脳炎」が原因だった? 魔女裁判の医学的新説

2019.01.08 Tuesday

Credit: wikipedia
Point
■セイラム魔女裁判にかけられた少女たちに現れた症状は、「抗NMDA受容体抗体脳炎」によるものだという説が浮上
■不安、被害妄想、幻覚、発作、ジスキネジア、緊張病といった典型症状が、少女たちに関する記述に類似
■血縁関係のない少女たちのケースは、社会政治的因子が関係か

15世紀〜17世紀頃のヨーロッパや米国で、人々が無実の罪で裁判に掛けられて命を落とした「魔女狩り」。特に悪名高いのが、マサチューセッツ州セイラム村(現在のダンバース)の周辺で1690年代に行われた「セイラム魔女裁判」です。

新しい研究で、裁判のきっかけとなった降霊会の中で少女たちが起こした異常行動の原因を「抗NMDA受容体抗体脳炎」に求める新説が浮上。研究は「Journal of Neurology」に掲載されています。

セイラム魔女裁判の背景

事件の発端は、村の牧師サミュエル・パリスの娘ベティと、その従姉妹アビゲイルが、親に内緒で降霊会に参加したこと。霊を呼び寄せる術中、2人は突然暴れ出すなどの奇妙な行動をとり、悪魔に取り憑かれているという医師の診断を受けます。

その後、会に参加した他の少女たちも次々に異常行動を起こすようになり、最終的に200名以上の村人が魔女裁判に掛けられることに。うち19名が絞首刑に処され、1名が拷問中に死亡。獄中で命を落とす人もいました。

少女たちに現れた奇妙な症状の正体を、医学的に解明しようとする取り組みの中で、新しい説が最近浮上しました。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの神経科医マイケル・ザンディ氏によると、「抗NMDA受容体抗体脳炎」こそがその正体とのこと。

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