biology

謎が深すぎる。植物すらいないハワイ溶岩で唯一生き延びる「溶岩コオロギ」

2019.03.31 Sunday

Caconemobius fori / Credit: ALAN CRESSLER/FLICKR
昨年、ハワイのキラウエア火山で、この数十年で最大規模の噴火が起きました。大量に溶け出した溶岩が大河となって島中を這い、道路や車、住宅や草地を飲み込みました。
溶岩は数ヶ月をかけて徐々に冷え、その後に残されたのは真っ黒な不毛の大地。かつてその場所で暮らしていた多くの動植物が姿を消しました。
しかし、ある生物だけは生き延びていたのです。

キラウエア火山の溶岩原に住む唯一の多細胞生命体「溶岩コウロギ」

「溶岩コウロギ」の通称で知られるCaconemobius fori(ハワイ語でūhini nēnē pele)は、前回の噴火で新しく形成されたハワイ島の溶岩原を住処とすることが、現時点で唯一明らかになっている多細胞生命体です。
他の生物が一切生存することができないほどの厳しい環境下で、この昆虫だけがなぜ生き延びられるのかは、大きな謎です。
Credit: USGS/POLARIS/NEWSCOM
その謎を解明するため、ミネソタ大学の昆虫学者マーリーン・ズック氏らが、キラウエア火山が最近噴出した溶岩原で、溶岩コウロギの生態調査を開始しました。この研究結果によっては、「環境にどのように適応すれば、良き先駆者になれるのか?」という条件が覆されるかもしれません。

次ページ噴火時にのみ出現 ミステリアスな「生粋のハワイっ子」

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