Point
■ノルウェーに「時間」をなくそうと運動を起こしている小島がある
■島には夏に太陽が沈まない白夜の期間があり、人々は好きな時間にやりたいことを楽しんでいる
■このコンセプトに惹きつけられる観光客も増えており、実際に「時間をなくす」ための嘆願書が議会に提出された
タイム・イズ・マネーが通用しないかも。
ノルウェーに350人あまりが暮らすソマロイ(Sommarøy)という小さな島がある。この島には「あるもの」がない。それは私たちにとって欠かせないものであり、形ないものでもある「時間」だ。
もちろん時間が存在していないわけではなく、住民たちが「時間の呪縛」から逃れることを強く望んでいるという。
夏は太陽が24時間島を照らす
ノルウェーのような高緯度地域には、白夜と極夜を経験できる場所がある。ソマロイもそんな場所の1つだ。
ここでは11月~1月が極夜であり、人々は24時間を暗闇の中で過ごす。
一方夏になれば、1日中太陽が顔を出している。具体的には5月18日~7月26日まで、人々は日光に照らされ続けて生活をするのだ。
日本の私たちからすれば想像できない暮らしだが、確かにそうした環境の中では時間の重要性が低くなることもうなずける。
この「時間廃止キャンペーン」を推進するリーダーであるKjell Ove Hveding氏は、「私たちの目標は、24時間の中で完全なフレキシビリティを提供することです。午前4時に芝刈りをしても構いません」と語っている。
島の主な産業は観光業と漁業であり、島民は時間に縛られない生活を望んでいる。つまり彼らは四六時中太陽を浴びる生活の中で、「やりたいときにやりたいこと」がしたいのだ。
ここでは、深夜の2時に友人とビーチでコーヒーを飲み交わすことも日常茶飯事だというのだから、確かにQOLは高そうだ。