菌から覚せい剤が検出される⁈
では何がセミの洗脳を可能にしているのか。
これについて調査したところ、研究チームはセミの体内から洗脳の主原因となる2つの化合物を検出することに成功した。
1つは「カチノン」で、特定の植物に含まれる覚せい剤の一種。そしてもう1つは「シロシビン」で、マジック・マッシュルームに含まれる向精神剤である。
つまり菌によってこの化合物を注入されることで、ホストのセミはドラッグ漬けになっていたのだ。

カチノンもシロシビンもこれまで特定の植物内でしか発見されていなかったが、キノコ以外の菌から見つかったのは今回が初めてのことである。
これについてカッソン氏は「こうした向精神物質は心理的な健康にとって重要な役割を果たすため、今後の研究次第では人のための医薬品として活用できるかもしれない」と話している。
ただしMassosporaは研究所内で育てることができないため、研究も感染したセミに頼るしかないそう。精神医療の切り札として、セミの17年が報われることを祈りたい。
reference: vice, sciencealert / written by くらのすけ