魔女なりの配慮?材料名は植物の言い換えだった
では彼女らが実際つくっていたものは何だったのだろうか。
グロテスクな「魔女レシピ」には、実は魔女ならではの気遣いが隠されていた。
魔女レシピに記載されている材料名はすべてハーブや花などを言い換えたものなのだ。
その翻訳リストの一部(『マクベス』に登場する材料)がこちら。
・イモリの目(Eye of newt)=カラシナの種(mustard seed)
・カエルの足先(Toe of frog)=キンポウゲ(buttercup)
・コウモリの毛(Wool of bat)=ヒイラギの葉(holly leaves)
・犬の舌(Tongue of dog)=オオルリソウ(houndstongue)
・ヘビの二つに割れた舌(Adders fork)=ハナヤスリ(adders tongue)
・目の見えない虫の毒針(Blind-worm)=アシナシイモリ(blindworm)※これだけは本当らしい
このように約1つを除いて、あとはすべて身の回りにある植物となっている。
カラシナの種なんて、ホットドッグ用マスタードに入っているツブツブだ。これなら私たちは日常的に「イモリの目」を食べていることになってしまう。
ちなみに黒魔術界でのカラシナの種は、争いや混乱、不和などを起こす力を持っているという。
しかしなぜ彼女らは、こんな回りくどいことをしていたのだろうか?
どうやらこれは、一般の人々が黒呪術に手を出し、安易に真似たり習ってしまうのを防ぐための予防策だったそうだ。
そのような理由から実在の魔女たちは、植物の一覧すべてに薄気味の悪い名称を与えていたのだ。
もしかしたら「ねるねるねるね」も、「ホンモノ」のカモフラージュレシピだったりして…。