電気刺激による味覚操作の技術デモの様子。
電気刺激による味覚操作の技術デモの様子。 / Credit:宮下研究室/WISS2019
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食べ物の味が変わる手袋! 電気刺激で味覚を操作する新技術を取材 (2/4)

2019.11.14 Thursday

前ページ食べ物の味を変える電気味覚の研究

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電気味覚の効果を実食体験!

kain:では、さっそく試してみたいんですけど、なにか食べるものありますか?

宮下:なにもないんだよねえ。他の取材の人は予めスーパーとかで買ってきてくれるから。

kain:すみません(汗)。

宮下:あ、ちょうどいいのがあった。これは今僕の一番のお気に入りの食品です。

kain:なんですか…それは?

玉露配合のエナジーバーグ。とんでもない色をしています…。
玉露配合のエナジーバーグ。とんでもない色をしています…。 / Credit:ナゾロジー/©CAMPFIRE, Inc.

宮下:これは最近出てきた「エナジーバーグ」ですね。ちょうど良いから宣伝も兼ねてこれで実験しよう。

kain:えなじーばーぐ? なんかとんでもない色してますけど…。それに宣伝って。

宮下:この色は抹茶味だからだよ。エナジーバーグはカフェインが配合されたエナジードリンクとかと同じ効能を持つハンバーグなんだよ。最近すごく忙しいから、基本学校でお昼は食べないんだよね。食べると眠くなっちゃうから。でもエナジーバーグなら眠くならないから食べられるんだよ

これがなくなると僕の研究生活に支障をきたすから、流行らせるために一緒に宣伝しておいてよ。

kain:いや、うちと何の関わりもないんですけど。まあじゃあ、気になった方は検索して買ってみてください。てか宮下教授の食生活はそんなんで大丈夫なんですか?

じゃあ、とりあえず電気は加えずにそのまま一口いただきますね。…うん、若干苦味はありますが、匂いも味も至って普通のハンバーグですね。むしろ結構、美味しいかもしれない。

宮下:でしょう?(嬉しそう)

kain:なんでエナジーバーグの食レポになってるんだ…。では、今度は手袋をはめていただきます。…あれ? なにも変わらないんですけど。

宮下:電池が弱ってるんじゃない?(電池を口にくわえる)

kain:ええ…なんでいきなり電池くわえてるんですか。

宮下:最近は舌に流れる電気でだいたい電圧がわかるようになったんだよ。ああ、全然弱いね。

kain:何を言っているんですか…?

宮下:電池変えてみようか。――あ、来てる来てる! 大丈夫だよ。

kain:そんなやり方、あんまり大丈夫じゃないですよ。この様子を書いちゃってもいいんですか?

宮下まぁいいんじゃないですかね。電気を味として知覚できるからこそ、テスターがなくても簡易的にチェックできるわけですし。

やっと実食

Credit:ナゾロジー

kain:あ、すごい。本当にくわえた瞬間は味がないのに、フォークを抜くと味が広がりますね。

宮下:塩味はうま味を引き立てる効果があるんですよ。だから、塩味と一緒にうま味も強く引き立ってくるんです。

kain:これは確かにすごい。おもしろい体験でした。

宮下:ハムスターの研究でも報告されていたけど、普通に食べた場合よりも塩味は強く感じられるようになります。この効果を利用すると、減塩などの味気ない食事でも強くしっかりした味を感じることができるようになるんです。

kain:病院食や、高血圧などで減塩の味気ない食事を余儀なくされている人たちにとってはありがたい話ですね。

宮下:そういう人たちへの貢献を目指しています。

kain:でも一体どうして陰極に食品をつないだ場合、塩味が強くなるのでしょうか?

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