呪文には「聖母マリア」を意味するものも
研究チームは、「LIDAR(レーザー画像検出と測距)」という技術を用いて、洞窟内全域にわたる3Dバーチャルマップを作成しました。これはレーザーを壁表面に照射して、反射光を収集・測定することで、全体像をデジタル上で再構築します。
これを使えば、下のように洞窟内の好きな場所を観察できます。
発見された保護呪文は「魔除けの印(apotropaic marks)」と呼ばれ、「立ち去れ」という意味のギリシア語「apotrepein」から来ています。
呪文の種類は多岐にわたり、「PM(Pace Maria)」や「V」を二つ重ねて「処女の中の処女(Virgin of Virgins)」、すなわち「聖母マリア(Virgin Mary )」を示すものもありました。
また図形としては箱や迷路、対角線を多用したものがメインで、これは悪魔を罠にかける道具を意味しています。
しかし一方で、なぜこの洞窟の中に保護呪文を施したのかは分かっていません。
この地に住んでいた地元民が、農作物の不作時期や流行した病気に対して行なったのかもしれませんし、洞窟自体を不吉な場所と見なして呪文を残したのかもしれません。
3Dマップ・アニメーションはこちら。