「万能薬」でも「予防薬」でもない
ゲン教授の研究チームは9月、重大な発見について発表しました。そこでOligomannateは「マルチタスクが可能なエージェント」であることが語られています。
つまりOligomannateは、ニューロンを傷つけるタンパク質の生成を抑制するだけでなく、脳の炎症リスクを軽減するために腸内に存在している細菌のコロニー活動を調整することができるのです。
今回の中国政府による認可が、アメリカとの貿易・テクノロジー戦争と結びつくものであるのかは不明ですが、アメリカの製薬会社バイオジェンは先月、2つの大きな臨床試験を通じても結果を出すことができなかったアルツハイマーの新薬について、再びFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を得る動きをみせています。
また認可書によれば、今回承認を受けたグリーンバレー(上海緑谷製薬)には「薬理的なメカニズムの継続的な調査と、安全性と効果についての長期にわたる評価が要求されている」とのことです。
さらに医師たちは、Oligomannateがアルツハイマーの万能薬ではないことにも言及しています。たとえばお風呂やトイレの介助が必要な程度にまで達している患者には、新薬の力が及ぶことはないでしょう。
また、Oligomannateを「予防薬」として症状のない高齢者に投与することも奨励されていません。大衆におけるこの薬の効果には、まだ不明な点もあるのです。
まずは中国国内で流通する薬のようですが、これからもその効果については長い目で観察していく必要がありそうです。