アルビノとは、メラニン(色素)をつくるために必要な遺伝情報が欠けていることで、先天的に体の色素が欠乏してしまう症状を指します。
アルビノというと透き通った白色をイメージするかもしれません。テレビやネットで見かけるアルビノの人や動物は、ほぼすべて、肌から体毛まで真っ白です。
実際「アルビノ(albino)」という言葉は、ラテン語で「白」を意味する「albus」に由来しています。
ところがカメのアルビノは、上の画像のように、白だけでなく赤や黄色になることが多いそうです。その容姿から、「まるで火を吐く小さなドラゴンのようだ」と形容されたりもします。
しかしアルビノのカメは、見た目の美しさとは裏腹に厳しい人生が待ち受けているのです。
視力が悪い上に目立ってしまう
アルビノのカメを専門的に飼育するアクア・マイクさんによると、「哺乳類や鳥類は基本的に白いアルビノとなりますが、カメやトカゲなどの爬虫類の場合、その個体本来の色素が少し残ることがあるため、薄い赤やオレンジ、ピンク、黄色になる」と言います。
アルビノのカメは、とても活発で、食べ物をよく飼い主にせがんだりするそう。
時にはカメラに向かってポーズを取ったりもしますが、決して他の動物のように扱いやすいわけではありません。「特に小さい時は注意して世話しなければいけません」とマイクさんは話します。
アルビノのカメは、体色だけでなく視力も弱いため、飼育容器に入れたエサに気づかないのです。
ただ3〜4歳くらいになると、1人でもエサを見つけられるようになります。
飼育していると、普通のカメとアルビノでは大きな違いも出てきます。
普通のカメは飼育員を見つけるとびっくりして、水中に逃げたり、隠れたりします。しかしアルビノのカメは、小さい頃から世話をしてもらう機会が多いため、飼い主に慣れて逃げることがなくなるのです。
アルビノのカメが野生にいることはとても危険です。
普通のカメと比べて視力も悪い上に、目立つ体色のせいで天敵に見つかりやすくなります。よって野生のアルビノの多くは小さい頃に食べられてしまい、生き残ることができません。
マイクさんは「万が一、野生のアルビノを見つけることがあれば、動物保護センターに預けるか、自ら責任を持って飼育する方が良い」と話しています。