AIも誤認識するほど捕食者に似ている
私達人間からすると、確かにクジャクグモの腹部はカマキリのように見えます。しかし、クジャクグモのメスは本当に「捕食者」として認識しているのでしょうか?
人間は画像を顔として認識する能力が高いので、人間が「似ている」と思うだけでは証拠不十分です。この点を明らかにするために、AIによる機械学習が行われました。
クモと他の無脊椎動物を区別するためにAIに様々な画像を学習させました。その後、AIに異なる画像をクモ、カマキリ、またはハチのいずれかに分類させると、95%の精度を出すことに成功。
では、優秀なAIの「5%のミス」とは何だったのでしょうか?
その大部分は「クモの腹部をカマキリやハチと誤認識したもの」でした。この結果は、「客観的に見ても、クジャクグモの腹部模様は捕食者に似ている」ことの証明になるでしょう。クジャクグモのメスがオスの腹部を「捕食者」として認識してしまう可能性は非常に高いと言えます。
クジャクグモのオスは、交尾するために命のリスクを負わなければいけません。しかし、自分の腹部とクモの性質を巧妙に利用することにより、そのリスクを減らすことができているのです。
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※(誤)蛾 (正)ハチ