宇宙は一体どんな匂いがするのでしょう。
そんな好奇心を満たしてくれる香水「Eau de Space(オ・ド・スペース)」が新たに開発されました。
宇宙の香りは、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在した宇宙飛行士たちの証言をもとに再現されています。
オ・ド・スペースは、現在、商品化に向けクラウドファンディングでの資金調達を行っており、すでに目標の2000ドルを突破したとのこと。
クラウドファンディングへは「Kickstarter(8月17日まで)」から参加できます。
宇宙は「ステーキ」の匂い?
開発を行ったのは、イギリスに拠点を置く香料開発企業「Omega Ingredients」の創設者スティーブ・ピアース氏です。
化学者でもあるピアース氏は、過去に宇宙ステーション内部の匂いを再現した展示会を開催しており、その後、2008年にNASAと契約しました。
宇宙の匂いについては、これまで「火薬や加熱した金属、フライドステーキのような匂い」と宇宙飛行士たちにより報告されています。船外活動から戻ったクルーのヘルメットやスーツ、グローブに必ず同じ匂いがついていたそうです。
ISSに滞在経験のあるペギー・ホイットソン氏は、2002年のインタビューで「苦味のある匂いに加えて、何かが焦げたスモーキーな香りがする」と表現しています。
ピアース氏は、これらの証言をもとに宇宙の匂いに合致する香水を完全再現しました。
一方で、香水の開発は、もとから商品化を目指して始まったプロジェクトではありません。
当初は、船外活動をするクルーたちが、宇宙空間の匂いに慣れて、想定外の驚きをなくす訓練の一環としてスタートしました。また、少年少女や学生のための体験型学習への応用も期待されています。
ピアース氏は、「Eau de Space(オ・ド・スペース)」の後、月面の匂いを再現した香水「Smell of the Moon」の開発も計画しているとのことです。
しかし、宇宙がステーキの匂いなら、オシャレ用には向いてないかもしれませんね。
最新の科学技術やおもしろ実験、不思議な生き物を通して、みなさんにワクワクする気持ちを感じてもらいたいと思っています。
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