菌類の神秘について本を書いた著者が、前代未聞の自著PRを行い話題となっています。
著者の男性は、アメリカ在住の生物学者、マーリン・シェルドレイク氏。
シェルドレイク氏は、なんと雑食で無尽蔵の食欲を誇る菌類の「ヒラタケ(oyster mushroom)」に自著を食べさせたのです。
菌類の凄みを体現して教える画期的な宣伝と言えるでしょうか。
また、彼の奇抜な宣伝はこれだけに留まりませんでした。
ヒラタケが本を貪る音を録音!ピアノでセッション⁈
シェルドレイク氏は、今年5月に、『Entangled Life: How Fungi Make Our Worlds, Change Our Minds, and Shape Our Futures(絡み合う生命:菌はいかに私たちの世界を作り、心を変え、未来を形作るか)』という本をアメリカで刊行しました。
近々、イギリスでも発売されますが、日本での訳書刊行は未定です。
シェルドレイク氏は、自著宣伝のために一風変わったPR活動に打って出ました。研究の成果を注ぎ込んだ本を、自然界トップクラスの食欲を誇るヒラタケに生贄として捧げたのです。
勢いよく繁殖したヒラタケにより、新刊であるはずの本は数百年前の古書のように見えます。
またシェルドレイク氏は、電極を繋いで、ヒラタケが本を貪る音を数週間かけて録音し、奇妙なビートを作り出しました。
実際の音源を聞いてみると、ポコッポコッと打楽器のような音が聞こえます。さらにシェルドレイク氏は、ヒラタケのビートに合わせて、ピアノでのセッションも披露しました。
その一部始終がこちらです。
シェルドレイク氏の説明にあるように、ヒラタケは、原油からタバコの吸い殻、果ては多くの植物を死滅させる除草剤のグリホサートまで食べてしまいます。
信じられないことに、ひどい空腹に追い込まれると、線虫までも狩って食べるそうです。