イスラエルの都市エルサレムから西に約30キロの場所にある「キルベット・カイヤファ(Khirbet Qeiyafa)遺跡」で見つかった粘土像が、唯一神・ヤハウェをかたどった偶像である可能性が浮上しました。
粘土像の年代は約3000年前であり、高さ5センチほどと小さく、側には子馬の像も見つかっています。
しかし、ユダヤ教のヤハウェと言えば、モーセの十戒にあるように、偶像崇拝が絶対的に禁止されていたはずです。
一体、どういうことなのでしょうか。
馬に乗ったヤハウェ像か?
ユダヤ教では、紀元前13世紀頃に、ヘブライ人(ユダヤ人)を率いて出エジプトを行ったモーセが、シナイ山でヤハウェから十戒を授かったと言い伝えられています。
そのひとつに、「唯一絶対の神であるヤハウェを偶像崇拝してはならない」ことが記されていました。
また、キリスト教の神もヤハウェであり、イスラム教の唯一神アッラーも元は同じ神を表しており、いずれも偶像崇拝を禁じています。
粘土像について、イスラエル・ヘブライ大学のヨセフ・ガーフィンケル氏は「首元の加工具合を見ると、元は胴体や陶器の器などに取り付けられていたでしょう」と指摘します。
特徴としては、頭頂部が平らで、目・鼻・耳が突き出ており、耳に穴が空いていることからイヤリングを付けていたと見られます。頭部に見られるサークル状に並んだ穴は、頭飾りを表しています。
また、顔の像と一緒に子馬の像が出土したことから、ガーフィンケル氏は「馬に乗ったヤハウェ像だったのではないか」と推測しました。
確かに、馬の背中には人の両足が見られます。