
- 精子は17世紀に発見されて以来、長い尾をうなぎのように左右に振って泳いでいると考えられきた
- 新たな研究は、秒間55000フレームという高速カメラと3D顕微鏡で3次元的にその動きを観察
- 精子は片側にしか尾を動かすことができず、それを回転でカバーして泳いでいると明らかにした
顕微鏡が手元にあったなら、自分の精子を見てみようかなと考える男性は多いかもしれません。
事実、500以上もの顕微鏡を自作した微生物学の父アントニ・ファン・レーウェンフックは回収した自分の精液を観察して、人類で初めて精子の存在を発見しました。
このときレーウェンフックは「精子には長い尾があり、水中のうなぎや蛇のような動きで泳いでいる」と記録を残したのです。
その後、現代に至るまで精子は長い尾をうなぎのように左右に振って泳いでいると信じられてきました。
しかし、どうやらそれは勘違いだったようです。
新たな研究は秒間5万5千フレームという超高速カメラと3次元顕微鏡を使って観察した結果、これまでの通説とは全く異なる精子の泳ぎ方を発見しました。
精子の発見者 レーウェンフック
精液は生命の源として、古代ギリシャのアリストテレスも言及しているなど、非常に古くから研究対象にされていました。
しかし、精液が実際はなんであるのか、近年になるまで人類はまるでわかりませんでした。
精液の中に精子がある、ということが発見されたのは1677年のことです。
発見者は17世紀の生物学者アントニ・ファン・レーウェンフックで、彼は生涯で500近い顕微鏡を自作してさまざまな生物の姿を観察し、微生物学の父と現代では称されています。
ちなみにレーウェンフックは、オランダのデルフト出身で、同じくデルフト出身の謎多き人気画家ヨハネス・フェルメールとは同世代でした。
有名なフェルメールの絵画「天文学者」と「地理学者」は、同一人物をモデルにして描かれていますが、このモデルはレーウェンフックだったと言われています。

そんなレーウェンフックは、自作の顕微鏡で精子を観察した際「泳いでいるとき、水中のうなぎや蛇のように尾を動かしている」と説明を記録しています。
これは以後350年近くに渡り、信じ続けられてきました。
精子の泳ぐモデルは、見たことがある人も多いでしょう。現代でも精子は、下の動画のようにくねくねと尾を左右対称に振って泳ぐというイメージが一般的です。

しかし、どうやらそれは目の錯覚だったようです。




























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