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「鍵を差し込む音」だけで、泥棒に合鍵を作られる危険性がある (2/3)

2020.08.25 Tuesday

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音から鍵の形状を推測するシステム「SpiKey」

シンガポール国立大学のコンピュータ科学者であるSoundarya Ramesh氏は、一見何の役にも立たなそうに見える情報が物理的なセキュリティを危険にさらす可能性があるのではないか? と考えました。

彼が気になったのは、ピンシリンダー錠に鍵を差し込んだときのピンが押し上げられる音です。

一般的なタイプのピンシリンダー錠にはピンが6本あり、それは鍵に刻まれた凹凸を上下に滑り尾根を超えたときクリック音を鳴らします。

画像
Credit:ACM SIGMOBILE ONLINE,HotMobile 2020 – Listen to Your Key: Towards Acoustics-based Physical Key Inference

鍵を差し込んだときピンが押し上げられ、鍵の尾根を滑り落ちて鳴るクリック音は、鍵の形状を推測するために役立つ情報になるかもしれないとRamesh氏は考えたのです。

そこで、彼の研究チームは鍵のクリック音のタイミングから金具間の距離を推定し、鍵の設計上の制約(鍵の稜線の固定角度)を利用して鍵の形状を絞り込むプログラム『SpiKey』を開発したのです。

このシステムは、まだ完全ではありませんが音から推察して、鍵の形状をだいたい3つの候補まで絞り込むことができます。そしてそのうちの1つはきちんと機能したのです。

次ページ現状では不完全なシステム

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