シベリアの永久凍土で見つかった「ホラアナライオン」のメス
シベリアの永久凍土で見つかった「ホラアナライオン」のメス / Credit: The Siberian Times(youtube, 2020)
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約4万年前の「ホラアナライオン」のミイラ、保存状態の良さから”クローン計画”も進行中

2020.09.28 Monday

現在、2頭の「ホラアナライオン」のミイラが話題を集めています。

これらは2018年にシベリアの永久凍土で見つかった幼い個体で、1頭は約2万6000年前に、もう1頭は約4万4000年前に亡くなりました。

あまりの保存状態の良さから、専門家たちはクローン技術を用いた再生計画を進めているそうです。

絶滅種のホラアナライオンが、1万年以上の時を経て現代に蘇ることはあるのでしょうか。

thesun https://www.thesun.co.uk/tech/10104553/cave-lion-cubs-siberia-starved-crushed/ , siberiantimes http://siberiantimes.com/science/casestudy/news/stunning-pictures-of-the-worlds-only-uniquely-preserved-cave-lion-cubs-as-new-secrets-revealed/

2頭のライオンの死因は?

2頭のミイラは、お互いに10メートルも離れていない場所で発見されており、当初はオスの兄弟と考えられました。

しかし、調査の結果、生息年代が大きく異なり、2万6000年前に死んだ方はメスで、4万4000年前に死んだ方はオスと判明しています。その後、メスは「スパルタ(Sparta)」オスは「ボリス(Boris)」と命名されました。

メスの「スパルタ」
メスの「スパルタ」 / Credit: The Siberian Times(youtube, 2020)

ともに母親から捨てられた可能性が高く、スパルタは餓死したことが分かっています。

調査を担当したアルバート・プロトポポフ博士は「発見当初、なぜこれほど痩せ細っているのか疑問でしたが、断層撮影をしたところ、内臓に脂肪分がまったくありませんでした。これはスパルタが極度の飢餓状態にあったということです」と説明します。

スパルタは、母親に見捨てられ餓死したか、あるいは、母親がエサを見つけられずに死なせてしまったのかもしれません。

一方、スパルタよりはるか昔に死んだボリスは、重いもので押しつぶされた内部損傷の痕がはっきり見られました。

プロトポポフ博士は「おそらく、母親に洞窟の中に置き去りにされた後、倒壊した落石に押しつぶされたのでしょう」と指摘します。

奇しくもその2万年後に、わずか10メートル先で同じ境遇のライオンが最後を迎えたのです。

次ページ専門家、「クローン再生は簡単」と指摘

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