かつてのジュゴンは陸上に住んでいた
現生するジュゴンの祖先は、クジラと同様、海に引っ越しする前は陸上生活を送っていました。
現時点で最古のジュゴンとして知られる「ペゾシーレン」は半水棲で、陸上生物と同じように前後の手足を残していたことが分かっています。
そのときに草食だった名残で、海に移動した後も海藻が主食となり、魚は食べないのでしょう。
食生活に大きな変化はなかった反面、時間の経過とともに前足はヒレになって、後ろ足は完全になくなりました。これはクジラも同じことです。
ジュゴンは、海藻が豊富な場所を住処にするため、陽のあたりが良い浅瀬に生息します。そのおかげで、遺骨が沿岸部の海底に保存され、海に近い陸地で化石が発見されやすいのです。
専門家たちは「ジュゴンの化石は、過去の地球環境を詳しく知るための貴重なサンプルとなる」と話しています。