エジプトは数千万年前まで海の中にあった?
発見されたジュゴンの化石は、椎骨、肋骨、脚骨が含まれており、ほぼ成体に達していた個体と見られます。
また、ジュゴンの化石が砂漠地帯で見つかるのは初めてではありません。
以前にも、始新世〜漸新世(5600〜2300万年)の時代に遡るジュゴンの骨が、エジプトのカイロ南西部や西砂漠のファユム地域で見つかっています。
今日のジュゴンは主に、インド洋や西大西洋、紅海の沿岸部に生息し、海藻を食べて生きています。
このことから、数千万年前のエジプトは海の中にあり、海藻が豊富に繁殖して、ジュゴンが暮らすのに最適な環境だったと推測されます。
そして、死んだジュゴンの遺体が海底に沈み、時とともに海が干上がって砂漠となり、今日の化石発見に至るのでしょう。