ハビタブルゾーン内の地球を観測しやすい系外惑星
人類と同程度の観測技術で地球を発見しようとした場合、太陽系外惑星の天文学者は地球が太陽の前を通過するトランジット(食)観測を利用する必要があります。
これを実現するためには、その惑星は地球の横道、つまり地球が太陽の周りを回る軌道面上に視線を確保していなければなりません。
NASAの「トランジット系外惑星探索衛星 (略称: TESS)」とESAの「位置天文衛星ガイア」のデータを使用して、この地球を見ることができる星系を計算したところ、326光年以内のハビタブルゾーンの可能性がある系外惑星の中で、候補となるものは1004個でした。
「もし観測者がそこにいれば、青い大気に包まれた惑星に生物の兆候を発見することができるでしょう」と今回の研究者の1人、コーネル大学の天文学者リサ・カルテネガー氏はいいます。
そして、その星系の光は私たちからも双眼鏡や望遠鏡を使わずに夜空の中から見つけ出すことができます。
トランジットを利用した観測可能な惑星は、時間の経過と共に変化していきます。候補となった1004の系外惑星の内、508個の惑星は1年間(惑星が軌道を1周する間)に最低10時間は地球が観測可能な時間ができるといいます。
これらの星系の77%は、主系列星の中でもっとも小さく低温のM型星(赤色矮星)が主星になっています。