粒子が相関している時、時間の矢が逆転する
この研究は、相関を持った粒子の概念に頼っています。量子もつれについて聞いたことがあるかもしれません。この考えは「もつれ」を持つおのおのの粒子の状態が残りのグループの条件でのみ記述出来るというものです。これと同じように、相関した粒子はリンクし情報を共有するようになります。これらの結びつきは、もつれた粒子ほどには強くありません。
クロロホルム分子の水素と炭素を使うことで、科学者達はその原子のなかの2つの核の温度を変化させました。水素の核を炭素の核より熱くしたのです。この粒子が相関していない時、熱は熱い水素の核から流れて、冷たい炭素を温めました。そう、時間の矢は予想通り前へと進んだのです。
しかし、科学者が粒子の相関を観察した時、それとは反対に、水素がより熱くなり、炭素がより冷たくなりました。このことは、顕微鏡レベルで時間の矢が逆転したことを示しています。
この実験は、タイムトラベルのように文字通り時計を巻き戻すわけではありません。しかし、熱力学的プロセスの方向が相対的であることを示唆しています。
科学の発展によって、時間は相対的なものだということがわかってきました。人間が時間の相対性を感覚で「理解」できる日は、果たしてくるのでしょうか。
via: pbs.org, newsweek.com / translated & text by nazology staff
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