世界最小のクリスマスツリーは原子の彫刻品
今回新たに記録を更新した世界最小のクリスマスツリーは、原子単位の彫刻によって作られました。
用いられたのは、量子的なトンネル効果を利用する走査型トンネル電子顕微鏡です。
この特殊な電子顕微鏡は、個々の原子の動きを調べられるほかに、彫刻刀のナイフとしても使用可能なのです。
電子顕微鏡の針が限界まで接近することで、電子が確率的に針と材料の間を飛び越えて(トンネル効果)電流が生じ、規則正しい結晶構造をとっている原子の位置を乱すことが可能になります。
結果、結晶の上に51個の原子からなる、世界最小のクリスマスツリーを描き出すことに成功しました。
今回はツリーを描いただけですが、原子単位の操作技術は今後、ナノテクノロジーの主流な分野の1つになっていくでしょう。