ISSに搭載された新型のトイレと下水処理
宇宙ミッションにおいて、数多くのトイレにまつわる人類の悲劇を目の当たりにしてきたNASAは、2018年に2300万ドルもの費用をかけて国際宇宙ステーションの新型トイレを開発しました。
国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されたトイレは、室内に手すりと足場がたくさん用意され、立ち座りや、吸引器の漏斗をしっかり押し付けられるように工夫されています。
便座は男女ともに使いやすいよう設計されていて、蓋を開けるとすぐに吸引が開始され、排泄物の漏洩や、悪臭を抑えるようになっています。
また、お尻がしっかりと密着するように、通常の家庭用のトイレに比べて便座は小さめに設計されています。
では下水処理はどうしているのでしょう?
おしっこの90%以上はただの水です。
水は重くスペースを取るため、宇宙ステーションに地球から水を汲み上げて持ち込むことが困難です。
そのため、搭乗員のおしっこはきれいに浄化処理されて、飲水として再利用されています。
「今日のコーヒーは、明日のコーヒーなんです」とある宇宙飛行士は言っているそうです。
大便については、地球に持ち帰る場合もありますが、それはあくまで研究目的の場合です。
通常、排泄された大便は気密容器に集められ、これはトイレットペーパーや手袋(これも排泄時の清潔を保つためのもの)とともにコンテナに積まれて、地球の大気圏へ打ち出されます。
そして、上層大気との摩擦によって焼却処分されます。
もし、夜空に流れ星を見つけたとき、それは隕石ではなく、宇宙飛行士のうんちなのかもしれません。
民間の宇宙旅行はすぐ間近に迫っていて、多くの富豪たちが参加を希望していますが、ひょっとしたら宇宙のトイレ問題には悩まされることになるかもしれません。
記事内容に一部誤字があったため、修正して再送しております。