「醜いアヒルの子の定理」でほくろのがん化をスマホで発見
ここで使用されたのは、深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)と呼ばれる深層学習技術です。
深層学習には多くの手法が提案されていますが,画像認識分野で、現在もっとも成功を収めているといわれるのが、このCNNです。
CNNは、人間の視覚野を参考にした深層学習の手法で、小区画の類似性を効果的に見つけ出して特徴を抽出して学んでいきます。
研究チームは、133人の患者と公開されている悪性黒色腫のデータベースから取得した2万を超える画像を使用して、このツールをトレーニングしました。
このツールの特徴的な点は、「醜いアヒルの子の定理」と呼ばれる機械学習方法を用いて、ある基準に対して見た目が異常なものを分類していくという方法を取っていることです。
正常な場合、個人のほとんどのほくろは互いに類似していて、通常疑わしい点はありません。
システムは、ほくろの真円度、サイズ、色合いなどをほくろのさまざまな特徴を学習していき、そこから外れた疑わしいほくろを提示するようになっています。
この方法で学習を行った結果、ツールはスマホで撮影したが層から、経験豊富な医師の診断と88%が一致する診断を行うことに成功したのです。
これは医師の負担を大きく減らす他、個人で危険な病変を素早く手軽に発見できる可能性があり、悪性黒色腫の早期治療につながる可能性があります。