触覚再現デバイス
触覚再現デバイス / Credit:Ray Tsai, Youtube
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触覚再現デバイスで「バーチャル猫の毛並み」が体験可能に!

2021.05.17 Monday

先週、「人と情報システムの相互作用に関する国際会議(CHI:Conference on Human Factors in Computing Systems)」が開催されました。

その中で注目を集めたのは、国立台湾大学に所属するチジョン・リー氏ら研究チームらが開発中の「さまざまな触覚を再現するデバイス」です。

ネコを撫でたときの毛並みと肌触りを再現可能で、VR機器と併用すればバーチャル猫を触わって楽しめるとのこと

研究の詳細は5月付けの『CHI ’21: Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems』に掲載されました。

Virtual Cat Petting https://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/robotics-hardware/video-friday-virtual-cat-petting
HairTouch: Providing Stiffness, Roughness and Surface Height Differences Using Reconfigurable Brush Hairs on a VR Controller https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3411764.3445285

ブラシを制御してさまざまな触覚を再現する「HairTouch」

開発中のデバイス「HairTouch」には、化粧道具であるメイクブラシが使用されています。

ユーザーは人差し指の下にあるメイクブラシを触るようになっており、被毛のような触覚を楽しめます。

ブラシの方向を調整して触覚を調整
ブラシの方向を調整して触覚を調整 / Credit:Ray Tsai, Youtube

デバイスはブラシの長さや方向を制御できるため、微妙な触り心地の変化を提供可能とのこと。

例えば、ブラシを短くすればするほど剛性が高まり、柔らかさや硬さを表現できます。

またブラシの方向を調整することで粗さのレベルを変更でき、いわゆる「ごわごわ感」など、さまざまな触覚が得られます。

バーチャル猫の背中を触る
バーチャル猫の背中を触る / Credit:Ray Tsai, Youtube

そしてHairTouchとVRヘッドセットを組み合わせると、「バーチャル猫を触って楽しむ」ことが可能。

本物の猫は背中、耳、おなかでそれぞれ触り心地が異なりますが、その微妙な違いをVR上で体感できるのです。

おなかと背中の異なる触り心地を再現
おなかと背中の異なる触り心地を再現 / Credit:Ray Tsai, Youtube

また再現できるのは、被毛のある動物だけではありません。

研究チームが提供した動画では、4種類の枕カバーの触り心地を体感しています。

枕カバーの素材の違いを再現
枕カバーの素材の違いを再現 / Credit:Ray Tsai, Youtube

この機能を応用すれば、オンラインショッピングで購入する際に製品の肌触りを確かめることも可能でしょう。

研究チームによると、同じシステムを用いて、人間同士のふれあいやその他さまざまなケースに適用できるとのこと。

HairTouchはまだ開発途中なので、今後も触覚バリエーションが増えていくと思われます。

VR技術の進展に寄与するユニークなデバイスの今後に期待できますね。

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