首の神経を刺激して覚醒させる
研究チームが注目したのは、迷走神経(めいそうしんけい)を電気刺激する「迷走神経刺激療法」です。
この迷走神経は腹部から青斑核に向かって伸びる神経です。
そして迷走神経刺激療法自体は、20年以上前にてんかんやうつ病の治療法としてアメリカ食品医薬品局(略称:FDA)に承認されたものでした。
最近の研究では、この療法がマウスとヒトの記憶や学習を促進させると判明しています。
今回チームは、迷走神経への刺激が青斑核刺激と同様の覚醒効果を引き出すと考え、実験することにしました。
実験では、FDAに認可されている市販の携帯型機器を用いて、首の皮膚の上から、頸部迷走神経に電流を流しました。