世界最古の湖「バイカル湖」とは

バイカル湖は、ロシア南東部のシベリア、ブリヤート共和国とイルクーツク州にまたがる巨大な三日月型の湖です。
その歴史は2500万年にもさかのぼり、現在も拡大を続けるバイカル地溝帯の地殻変動によって生まれました。
湖の南北の長さは約636km、最大幅は約79km。
最大水深は1,642mとされ、平均でも700m以上。
淡水湖として世界一の深さを誇ります。
この驚異的な深さにより、バイカル湖には地球上の凍っていない淡水の約17〜20%が蓄えられています。
つまり、地球上の淡水の5分の1がこの湖に存在するのです。
バイカル湖は「ロシアのガラパゴス」とも呼ばれています。
その理由は、湖に棲む生物のうち約70〜80%がこの湖にしかいない固有種だからです。
バイカル湖とその周辺の生物多様性は、世界中の他の湖と比べても突出しており、確認されている生物種は1,300種以上。
さらに、そのうち1000種以上がバイカル湖固有の生き物です。
湖には独特な生態系が広がっています。
バイカルアザラシという淡水に適応した唯一のアザラシを筆頭に、ユニークな進化を遂げた生物たちが存在します。
バイカル湖の水は非常に透明度が高く、10〜40メートル先まで見通せると言われています。
冬になると湖は氷で覆われますが、その氷は澄んでいて厚さも70〜115cmほど。
一方で、近年は工業汚染や温暖化などの影響が指摘されており、環境保全の重要性も高まっています。