「塩まみれの食生活」が生み出す砂漠のジレンマ

チャクワラ(学名:Sauromalus)は、アメリカ南西部やメキシコ北部の乾燥した砂漠地帯に生息する大型トカゲです。
体長は最大で約60cmに達し、岩場や乾いた谷間を拠点に、過酷な高温環境でたくましく生きています。
砂漠に生きる多くの動物たちは、水分を得ることが最大の課題です。
ところが、チャクワラの主な食事は塩分の多いサボテンや多肉植物などの「しょっぱい植物」。
しかも、水を直接飲むことはほとんどありません。
体内の水分は、ほぼすべてを食物に頼って補給しているのです。
ここで問題になるのが「塩分の過剰摂取」です。
植物から摂取するミネラル成分は体に必要不可欠ですが、取りすぎると今度は体内の塩分濃度が上がり、逆に体の水分を失ってしまいます(いわゆる脱水症状)。
実はこの状態こそが、砂漠で命取りとなるリスクなのです。