目撃された“3匹の交尾”、野生のサメの知られざる繁殖戦略
豪サンシャインコースト大学(USC)の研究チームは、1年間にわたり、南太平洋ニューカレドニア沖のアボレ礁でヒョウザメの生態を調査していました。
これまでにもオスがメスを追いかける場面や、交尾直後の様子を見たことはありましたが、「交尾の最初から最後まで」を目撃できたのは今回が初めてだったといいます。
2023年、チームは偶然にも海底で「2匹のオスが1匹のメスの胸ビレをつかむ」という珍しい状況を目にします。
驚かせないようボートを遠ざけ、水面でじっと観察を続けること1時間。
ついに3匹のヒョウザメが動き出し、最初のオスが約63秒、次のオスが47秒かけてメスと交尾を行いました。
実際の映像がこちら。(※ 音量に注意してご視聴ください)
交尾後、オスたちは力尽きて海底に横たわり、メスだけが活発に泳ぎ去ったといいます。
3匹とも体長約2.3メートルで、ヒョウザメとしては成体の平均的な大きさです。
「野生のサメの交尾自体が極めて珍しい観察ですが、絶滅が危惧されている種でそれを映像に収められたのは本当にエキサイティングでした」と研究者は語っています。