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Credit: canva
paleontology

新種メガラプトルの化石を発見、口に「最後の晩餐」が残ったまま

2025.09.24 20:00:01 Wednesday

白亜紀の終わり、巨大恐竜たちが地球を闊歩していた南アメリカ大陸南部のパタゴニア

そこで、まるでタイムカプセルのような衝撃的な発見が、アルゼンチンのパタゴニア・サン・フアン・ボスコ国立大学(UNPSJB)により報告されました。

なんと大型肉食恐竜として知られるメガラプトル類の新種化石が発見されたのです。

学名は新たに「ホアキンラプトル・カサリ(Joaquinraptor casali)」と命名されました。

しかし驚くべきは、その口に”最後の晩餐”を咥えたままだったことです。

さて、最後に何を食べながら絶命したのでしょうか?

研究の詳細は2025年9月23日付で科学雑誌『Nature Communications』に掲載されています。

New ‘Megaraptor’ Species Found With Shocking Last Meal Still in Its Mouth https://www.sciencealert.com/new-megaraptor-species-found-with-shocking-last-meal-still-in-its-mouth 2,000-pound megaraptor died while snacking on a crocodile https://www.popsci.com/science/new-megaraptor-dinosaur-cretaceous/
Latest Cretaceous megaraptorid theropod dinosaur sheds light on megaraptoran evolution and palaeobiology https://doi.org/10.1038/s41467-025-63793-5

白亜紀パタゴニアの王者、驚きの新種を発見

巨大メガラプトルの全貌

ホアキンラプトル・カサリは、白亜紀末(約7000万~6600万年前)のアルゼンチン・パタゴニアで暮らしていた新種の大型肉食恐竜です。

発見された骨格は、頭骨や前脚、脚、尾椎など多くの部位がまとまって保存された、南米パタゴニアでは最も完全に近いメガラプトル類の化石となりました。

体長は7メートル以上、体重は1トン超と推定され、その姿はまさに「ジュラシック・パーク」のラプトルを巨大化したようなイメージです。

この恐竜が生きていたパタゴニアは、当時、巨大なティラノサウルス類がいなかったため、メガラプトル類が食物連鎖の頂点に立っていました。

【新たに発見された新種化石のまとめ画像がこちら

南半球で進化した「頂点捕食者」

ホアキンラプトルは、長く伸びた頭骨と発達した前脚、そして巨大なツメを持つのが特徴です。

特に腕は太く発達し、筋肉の付着部やツメの構造から、獲物をつかみ、肉を引き裂く強力な武器になっていたと考えられます。

進化的にも興味深いのは、この新種がメガラプトル科というグループの中でも、派生的な南米グループの初期にあたること。

メガラプトル類は元々アジアやオーストラリアにも分布していましたが、南米パタゴニアで巨大化し、独自の進化を遂げていたのです。

さらに、骨の組織分析から、発見された個体は最低でも19歳の性的に成熟した大人でありながら、まだ最大サイズには到達していなかったことも示唆されました。

次ページ口に咥えた「最後の晩餐」は何だったのか?

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