アフリカ最小の猫「クロアシネコ」は巣穴を利用する
クロアシネコ(Felis nigripes)は、南アフリカ、ナミビア、ボツワナなどの乾燥地帯や半乾燥地帯に分布する小型の野生ネコです。
夜行性で、夜になると広い縄張りを移動しながら小型哺乳類や鳥、昆虫などを捕食します。
一方で、昼間は地表で過ごすことはほとんどなく、必ずといってよいほど地下に潜って休息します。
重要なのは、クロアシネコが自分で一から大きな巣穴を掘るのではなく、主に他の動物が掘った巣穴を利用している点です。
研究チームはクロアシネコがこうした巣穴をどのように利用しているのか調べることにしました。
特に雌のクロアシネコは子猫を産み育てるため、巣穴の安全性が生存に直結します。
調査はナミビア南部の農地を含む地域で行われました。
研究者たちは無線発信機を装着した雌のクロアシネコ5頭を対象に、27日間、ほぼ毎日昼間の居場所を追跡。
これにより、各個体がどの巣穴を利用しているのかが詳細に記録されました。
さらに、クロアシネコが実際に利用した巣穴の入口を、レーザーを用いたLiDAR技術で三次元的に測定し、巣穴の幅や高さ、地中での傾き、猫が休んでいる深さなどを明らかにしました。
同時に、周囲に存在する利用可能な巣穴も多数調査され、巣穴のサイズ分布が把握されています。
その結果、クロアシネコの雌は巣穴を無作為に選んでいるわけではないことが分かりました。
小さすぎる巣穴や大きすぎる巣穴はほとんど利用されず、使われた巣穴の大半がトビウサギ(Pedetes capensis)の巣穴とサイズ的に一致していたのです。
また、同じ巣穴に長く留まらず、頻繁に巣を替える行動も確認されました。
この行動の詳しい意味については、次項でさらに掘り下げていきます。























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